「とにかく、二度とオレに
気安く声をかけるな。

オレは――お前の知ってる
“陸”なんかじゃない」



「え―――…?」



一瞬聞き流しそうになった
けど、その言い方に
引っかかった。



“あたしの知ってる陸”
じゃない……?



「――オレとお前は、もう
住む世界が違うんだよ。

こんな所は、お前みたいな
女がいるべき所じゃ
ないんだ――…」



「陸……それって……!?」



最後まで問いを投げる
ことはできなかった。


陸が質問の先を遮るように
自販機を離れ、またスタ
スタと歩き出したから。


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