もちろん、本当はノンキに
寮長の仕事なんてやって
られる精神状態じゃない。



でもやらないわけには
いかないし、美月にも悪いし……

ホントに今は、気力だけで
かろうじて立ってるって感じ。



「――以上ですが、何か
不明点はありますか?」



書記の先輩が聞いてるのも
しばらく気づかず、
あたしはボーッとしてた。



美月が脇腹を小突いて
くれてようやくハッとして、



「あ、い、いえ。

……特にないです」


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