そしてそんなあたしに、
陸はもう用は済んだと
思ったのか。



一歩左にずれて行く手を
遮ってたあたしを避けると、

何か言葉を残すこともなく、
黙ってその場を立ち去って
しまった……。




「ウ…ソだ……。こんなの……」



かすれる声をもらして、
あたしはその場にヘナ
ヘナと座り込む。



美月が肩を抱くように
あたしを支えて声を
かけてくれた。



「大丈夫っ、結愛!?

しっかりして!」



正面に回り込んでゆさゆさ
あたしを揺する美月。


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