《完》蜜恋☆LOVERS 〜幼なじみは独裁者!?〜

その腕を、パシッと強い
力で誰かが掴む。



首だけで振り返ると、陸だった。



「待てよ、お前!

もう――いい加減にしろ!!」



キツい瞳であたしを
にらんで、そう叫ぶ陸。



だけどその瞳の奥には、
こんな状況はもう嫌だって
泣いてる陸がいる。


――あたしには、それが見える。



「何よ……陸の、弱虫!!」



あたしは掴まれた腕を
力いっぱい振って、陸の
手を振りほどいた。



陸は目を真ん丸に見開いて
呆然とした顔であたしを見てる。


_