二人が今、目の前にしているのは、以前は人であり、現在はヒトならざるモノ。


いわゆる、アヤカシや霊的なもの。


ある筋の専門家によれば言乃には高い霊力を持っているとのこと。

そのため、よくその辺りの浮遊霊などの相談に乗ったり、言乃に出来る範囲で成仏に至る手助けをしていた。


さすがに相手は幽霊。
こちらの都合は何一つ考えずにやってくる。


厄介事に厄介事が重なり、言乃を困らせることもしばしば。
そしてそれは言乃と行動を共にする者─今回で言えばケイトだが─にも等しく降りかかる。

そんなことに巻き込まれるうちにケイトもこのようなことに慣れっこになってしまった。