「クソッ!どうしてだよ!何で気づかない!」

 門にたどり着き、二人の腕を引いた。が、出来なかった。

次の角を曲がれば水溜りでトラックがスリップしてしまう。


「?!」

 ケイトの手は二人の体をすり抜けてしまう。
何度やっても変わらない。相変わらず声も通じない。

トラックが角まで約50mほど。


「動け!動いてくれよ!おい!ここまでさせといて目の前ではい、死にましたなんて許さねーぞ!」

 なおも動かない。ケイトは悪態をついて目を閉じた。トラックはもうすぐ側まで来ている。


──考えろ、雨童が俺をここに連れてきたんだ。何か、絶対に何か出来るはずだ!考えろ!


「ああ、くそ!──?!」