「ん?どうしたの?」

一仕事終えて安堵していたケイトは言乃の様子に眉をすこしあげた。


『みぃちゃんの死因はトラックのスリップ事故!そのとき、雨も降っていないのにあった不自然な水溜りがスリップの原因だそうです!』


 ケイトは一気に血の気が引いていくのを感じた。そしてまたダッシュで、来た道を駆け出した。

 走る、奔る。

こんなに走ったのは高校の部活以来だ、なんて事が頭をよぎる。

 二人は校門のところでもう消えてしまった虹の幻影を空に見ていた。その向こうに、1台の大型トラックが角を曲がってくるのが壁を透視して見えた。


「おい!お前ら!門の中に入れ!」


 しかし二人は気がつかない。さらに大声で叫んでも、見向きもしない。