あぁ……気が遠くなっていく…。

「響嘉ああああっ」
那里子…泣かないで。

ブツッ
篝? 何をしているの。
篝の指先から血がドクドク流れでてくる。

「………飲め!俺の血を飲めば俺と同じになる」
「………。」
嫌よ。

「死ぬなっ!」
「……嫌…ょ…飲まない…わ。」

自らこの道を選んだの。

というより、これは運命なの。


「どうして!」
どうして?…当然よ、
私への罰なのだから。
蒼色の瞳に溺れた哀れな人間の生涯だったのかもしれないわね。

「篝…ごめん…さい、あなたの正体…気がついて…たの…。」
「え?」

「私、一日しか篝と話したことないけど…一目惚れ…だったみたい。」

「好きだった…篝…私を喰べて…。」

嬉しかった…
篝の特別は、私だけみたいで。
それが嬉しかった。

なんて 浅ましい。

血のひとしずくも残さず、私を連れて行って
離れようもなく ずっと一緒に…

篝…忘れないで。


ーENDー