―――――――――― 「あのっ…こないだは 傘ありがとうございました。 本当に助かりました。 ここのペスカトーレおいしいですね。 また食べに来ます!」 お釣りを渡そうとすると 頭上から堰を切ったように話しかけられる。 少し驚いたが大好きなペスカトーレを 褒められて思わず笑顔になる。 「実は私もここのペスカトーレ大好きなんです! シェフに伝えておきますね。」 一瞬ぽかんとあいた口が しっかり閉じて笑顔を返してくれた。 それから彼は閉店1時間前に ペスカトーレを食べに来るようになった。