一度家に帰って、また昼から会う約束をして別れた。
お母さんにナツキの写真の話をしたら、凄く不思議がってた。
「そんなに似てたの?」
「似てるなんてもんじゃないよ。そっくりだった。」
「でもその頃、ナツキ君はドイツにいたんでしょう?」
「うん、そう。でね、あんなに一杯写真があるのに、赤ちゃんの頃とかのが一枚もないの。変だと思わない?」
「そうね。確かに変よねえ。」
ピーンポーン…
「あ、来た。じゃあ、行ってきます。」
「待って。お母さんもお礼言うから一緒に出るわ。」
「こんにちは。」
「こんにちは、ナツキ君。昨日はご迷惑かけちゃってごめんなさいね。」
「いいえ。迷惑だなんて。うち、女っ気がないんで父も喜んでました。」
「そう?またいつでも遊びにいらっしゃいね。」
「はい。それじゃ失礼します。」
昨日からの雨も上がり、ナツキと手を繋いで家を出た。
「どこ行くの?」
「どこでもいい。」
「じゃあ、病院。」
「え?」
「ナツキのお母さんの。顔見ておいでよ。」
「でも…。」
「大丈夫。私は外で待つから。おじさんも病院なんでしょ?」
「…うん。」