それからは全てお母さんが取り仕切って、先ずは高島の両親と私の家で会う事になった。

ナツキは朝から落ち着かず、ソファーに座ったり立ったり、部屋の中をウロウロするばかり。

インターホンが鳴ると直立不動になってしまった。

お母さんに案内されてリビングに入って来た人は、見覚えのある懐かしい顔で、ナツキを見るなりいきなり抱き締めた。

「ナ…ツ…キ…。ナツ…キ。ナツキ。ナツキ。…よく、無事で…う…うう…。」

おばさんは、困ったような顔をしているナツキを思いっきり抱き締めてる。

「…母…さん?」

ナツキの呼ぶ声に更に涙が溢れた。

ナツキがそっとおばさんを抱き締めた時、おじさんは二人を包み込むように両手を広げ、背中を抱いた。