「あっ! そっか!
ミズノ君。教えてくれてありがとう」


どうやらユキ君にミズノ君の黒い笑顔は効かないらしくて純粋無垢な笑顔がミズノ君に向けられた。


「こいつの弱点を必ず見つけて泣かしてやる…」


ユキ君の純粋無垢な笑顔を受けたミズノ君は悔しかったみたいでさらに笑顔を黒くして呟いていた。


ミズノ君の近くにいたのがあたししかいなかったために聞いたのはあたしのみだった。
フウタ君も聞こえてるかもだけどね。一瞬だけど青い顔してたから。



「理事長の…用事って、なんだ…ろう?」


ライト君。欠伸混じりに呟くのはいいけど、切るところ変だから。なんだ…ろう?は切り過ぎだから!


ってあたしはどこで突っ込んでんだ。


確かに赤井さんの用事ってなんだろう。闇の王は光の姫と天国?に行ったはずだし…


「それは俺にもわからないんだよね。白原さんと(あまり認めたくないけど)黒羽君のおかげで闇の王はいなくなつたし…」


ミズノ君。『あまり認めたくないけど』っての小声でも聞こえてるからね!



最近。あたし突っ込む側に変わってる気がする。


小さく溜め息をついているとフウタ君に声をかけられた。


「ヒカリ。どうかしましまた?」


フウタ君に心配させちゃったかな?


あたしは笑顔を作りながらフウタ君を見た。


「なんでもないよ」


他愛もない話をしてたらいつの間にか理事長室の前に着いていた。