最後に由衣の頭をなでてから、俺は教室を後にした。






あれ以上いたら、もっと由衣に嫌われてしまいそうで……。


自分をもう傷つけないために、なんてズルい俺は由衣を置いて帰った。


……本当にかっこわりぃー。







俺は、由衣に近づかない。



俺の理性で。








じゃないと、諦めなんてつかないし。


そうすると、由衣はまた困るだろうし。






あー……。


違う。



もう“近づかない”じゃなくて


もう“近づけない”んだな…。







けど、俺は決めたんだ……。


由衣から離れる。


それで、由衣が笑ってくれるなら……。






自分の部屋で、明日からの由衣のいない生活を思い、俺はうなだれた――。