―冬休み明け―

今日は、冬休み明け登校日だ。付き合って、初めてサツキに会える。車を降りて階段をかけあがる。いつめなら、大嫌いなこの階段もなんてことなかった。
教室に入るまでダッシュで行ってしまった。
サツキのことでどきどきしているのか、走ってドキドキしているのか、これじゃわからない。

サツキのことはナナちゃんにも話をした。
ガラガラ。
入ってきたのは、もちろんサツキだった。
ビックリして、うつむいてしまった。
"話さなくちゃ"そう思ったけど、勇気がでなかった。
サツキはドアを開けて2秒ぐらいで閉めた。
私と同じ気持ちなのかな…?
そう思うと、またドキドキした。


授業中、私は複雑な気持ちになった。
隣の席が、フウだから。
本当にフウには申し訳ない。
フウもこっちを見てくれないし、私もフウを見れない。
そのせいか、すごく長い一時間だった。


キンコンカーンコーン。
チャイムが重く鳴り響く。
ガラガラ。
「ちわーっす」
入って来たのはサツキ。
すぐ近くの席で男子と話ている。
私は少し離れたユイの席へいった。
サツキはうつむいて、
「ようっ…」
恥ずかしそうに言う。
「おはよ…」
小さな声で下をむいていった。

その一声が心の中でずっと響きつづけた。