〜12月上旬(1年生)〜
私たちは冬休みのことでいっぱいだった。
「うっわ。何コレ、ねーねー食べてよ。」 
「えー。んもー仕方ないなぁ」 
何もないこの1日が大好きだった。 
モグモグ。 
「あー、からあげウマー。この世の中でからあげが1番すきぃ」
そんなことをつぶやきながら食べをる。 
ガラガラ。教室のドアが開いた。 
私は‘B組のひとが来たのか’とスルーしていた。
教室に入って来たのはサツキ君だった。
サツキ君とわ・・・女たらしで、変体、嫌なやつ(私の認識)だ。
正直言って、あんまり話したことがないし、苦手だった。
そんなこと、考えている間にサツキ君は近づいてくる。 
‘いやだなぁ’私は一気に不機嫌になった。
でも、ちょっとだけ気になった。
チラッとサツキ君を見て、ゴハンを食べつづけた。
やっぱりサツキ君は女好きだと思った。
だってナナちゃんと、いちゃいちゃ?してるんだもん。
でも、付き合っていないしと思いスルーした。
ユイナも絡みだした。
みんなサツキ君としゃべってる。
私は、フルーツのりんごをかじっていた。
すると、サツキ君が話しかけてきた。
「君って何て名前だっけなー?」
12月だぞ。もう。名前くらい覚えろよ。
心のなかでつぶやいた。
「・・・ハルナだよ」
すぐにりんごをかじる。
サツキ君は絡んでくる。
「あんま、しゃべったことないよねー。ねぇねぇ。」
チャラいチャラい。本当にこうゆうタイプは嫌い。
そのとき、サツキ君のボディタッチ攻撃がはじまった。
肩にサツキ君の手が触れる。
自分でも顔が赤くなったのがわかった。恥ずかしい。
ガタンッ。私は席を立った。
「頭、冷やさせて。」
教室をダッシュした。頭のなかがぐるぐるしてる。
サツキ君を頭の中でかけめぐった。
”嫌い”のはずなのに。
「ごめん。変なことして。あはっ」
みんなに自然にふるまった。
そんな中サツキ君が、
「ねぇねぇ、メアド教えてよ。」と、言ってきた。
私は自分でもびっくりするぐらいのはやさで、
「いっ、いいよ。」と、答えた。
紙にメアドを書いて渡した。
なんだか、とても胸が高鳴った。
チャイムが鳴り、サツキ君は自分の教室にでていった。