「おにい…ちゃん。」



俺を見ると、申し訳なさそうに言葉を発してくる。



「千夏…」


ゆっくり歩み寄って、手を握る。


「大丈夫か?」


「う…ん。」



ギュッと手を握ると、ちょっとだけ戸惑う。



「…どんな奴だった?」


「へ…?」


「…お前を襲ったのどんな奴?」


「え…。」


「わり…やっぱ言わなくていい。ごめんな。」



空いている方の手で千夏の頭を撫でる。



「…千夏、お腹空いたでしょ?なに食べたい?」



ちょっとの沈黙の後母さんが千夏に話しかける。