「ねー美穂、今先生の顔見た?なんかあったのかなー。」

「え?なにそれ。どんな顔?いつもと変わらずだと思うけど。」

…。あたしの見間違いかな?
考えすぎなのかもね、
きにしない、きにしない!!


「そっかー!私の見間違いかも。無かったことにして!」


それから何にも無かったように
着々と練習を重ねた。



ある日、音楽の先生にアドバイスを聞きに行った。

「あぁ、そうね、ここ直した方がいいかも。でも多分あなたたちは準優勝ね。」


私達は言葉を失うことしかできなかった。
それが先生が言うこと?
私達はこんなに頑張ってるのに。
優勝できないかもしれない、けど。


私は何も言い返せなかった。
美穂は私に言ったんだ。

「ムカつく。見返してやろうよ、あんな奴。優勝してやる。」


ほんと、美穂は強いね。頑張り屋だね。
私、きっと美穂がいなきゃ頑張れずに諦めてたよ。

うん。頑張ってみる。
見返してやろう。