「…よかったんだよな、これで。」


崎本…



「よかったんだよぉ。」


あたしはそう言って、隠れていた壁の後ろから、崎本の方に行った。


「百優…っ!」


驚いた様子の崎本。


「ぇ、なんでここに?」


「ごめん。」


憐が崎本の方に行った時、あたしもついて行ったんだ。

夏海には先に帰ってもらった。


「…あ~
かっこ悪いとこ見せちまったな。」


かっこ悪い…?

なんで?


「何がかっこ悪いのぉ?」


「だって、フられたし…」


「フられることは、かっこ悪いことなのぉ?」


あたしは、そうは思わないけど。


ていうか崎本も、スッキリしたって言ってたじゃん。