「百優、彼氏とかいんのー?」


てか最初に聞くこと、それ!?


「いないよぉ。
この前別れた。」


守川 幸人(モリカワユキト)

…と。

一応先輩だけど、あんな人を先輩なんて呼びたく無い。


20回も告ってきて正直迷惑だったけど、周りの目が怖かったから付き合った。



好きだったからじゃない。



幸人は、あたしの体が目当てで。

家に行ったら急にベッドに押し倒された。


怖かった…


怖くて体が動かなかった。


あの時、幸人のお母さんが帰って来なかったら…


「百優?」


「へ!?」


目の前には、崎本の顔。

…って、近っ!

距離感、距離感!


こいつ、天然でやってんの?!


「元カレと、辛い別れ方したんだ。」


「別にぃ?
元々好きじゃなかったもん。」


それに、周りが怖くて付き合った、あたしも悪い。