「なぁ、光輝…」


親友の、


『逢沢 蓮(アイサワ レン)』


は、改まって俺の名を呼ぶ。


「ん?」


「光輝も、カケやめたんだよな。」


「あぁ。
やめたよ。」


俺、


『佐々木 光輝(ササキ コウキ)』


は…

昔、金の欲しさに女を落とす…

そんな最低なやつだっだ。



昔の話だから。

今は違うから。


「なんでやめたわけ?」


蓮も、カケのメンバーだったけど、やめたらしい。

好きな女ができたから、だって。


「俺も蓮と一緒。
好きな奴ができたから。」


本気で、好きな奴ができたから…


「誰だよ?」


「言わね~」


絶対言わね~。


「俺の好きなやつ知ってるくせに。」


「それは俺が当てたからだろ。
蓮が教えたんじゃねーじゃん。」


蓮の好きなやつは、同じクラスの、


『宮前 憐(ミヤマエ レン)』


蓮はいっつもそいつの方見てたから、一瞬で分かった。