「残念。
じゃぁ今日は諦めるわ。
…じゃぁな、憐!」


「ごめんね、隼人。
バイバイ~」


…チッ。


なんだよ、憐のヤツ。

崎本にそんな顔で笑いやがって。



ムカつく…。





ガラッ





崎本が教室から出て行って、教室には、俺と憐だけが残った。


「今日の図書委員の仕事は?」


「おぅ。」


まぁ、いつも通り、図書委員の仕事があるなんて嘘っぱち。

俺が憐と一緒にいたいだけ。


「…あのさ、また質問なんだけど。」


「ん?
何?」


憐は首を傾げた。


…ドキんっ!!


と、俺の胸の奥は鳴る。



あぁ、もう…

俺は、こんなにドキドキしてんのに、憐は多分少しもドキドキしてねえんだろな…。



恋して、初めて分かった…

恋って辛いんだって。