大輔が萎縮しながらも振り返ると、そこには50代くらいのおばさんが立っていた。 「桜川~久しぶりだな?」そう言って近づいてきた人は、大輔の高校の時の恩師であった。 彼女の名は「村田八重」 大輔と春恵の高校3年間担任であり、音楽の教師である。また大輔に音大を勧めてくれた恩師であった。 なぜ大輔が会いたくないかは、卒業生の就職先や進路を連絡していないのは大輔だけだと知っていたからである。それも春恵からの情報であった。 卒業式以来の4年ぶりの再会であったが、先生は変わらなかった。