機械仕掛けの冒険者たち

神様はうまそうにシーバスリーガルを一口飲んだ。グラスの氷が冷たい音を立てる。

「しかし先程神様は、上が決める事と言っていましたよね?」

僕はほんの少し苛立ちながら言った。何だか会話に霧がかかっているみたいだ。

「我々には社会というものは存在しないが、一応の取り決め・・・つまりシステムのようなものはある。さすがにそれがないと我々も大変ですからな、フォッフォッフォ」

神様は奇妙な笑い方で笑った。僕にはどの辺が面白かったのかよく分らなかった。
居眠りをしていたサラリーマンがその笑い声で目を覚まし、慌てて腕時計を見たが、また居眠りを始めてしまった。

我々が来てから、この店に誰も入ってくる者はなかった。

僕は店内の宿命的な香りと、よく分らない話のせいで軽い頭痛を覚えた。