「つまり・・・」僕は沈黙を破る。

「つまり、あなた方神様の世界でも管理社会のようなものが存在する。そしてあなたは幸せになる事の許認可を定めるセクションに配属されていないと・・・」

僕は話をまとめた。

神様は「ふぅむ」と言った。ふぅむ?

「管理社会とかセクションとか、そういう事は我々神にはあまり関係が無いんですな。そもそも管理社会は君たちの住む世界の話だろう?」

僕はまた少し混乱した。僕もシーバスリーガルを注文した。何だか飲まずにはいられなくなった。

「我々神に社会という概念は存在しない。社会は何かしらの損益を発生させるものだけど、我々神は損益とは無縁の存在、つまり『何でも無し』ですな」

「何でも無し?」

「そう、何でも無し。我々神は様々な力や状態や風土に関係するものでは無い。言わば君たちの世界で言うODAみたいなものですな」