一輪の花は、毎日違う花が置かれている。

今日の花は、ゴンフレナ グロボサ。

いつの間にか、僕は毎日その一輪の花の名前を、インターネットで調べるようになっていた。

ゴンフレナの花言葉は、


[不滅の愛]


なんだか意味深で怖い。

だが、ゴンフレナという花は、鮮やかな紫色で、とても綺麗だった。


昨日の花は、サンビタリアという可愛い黄色い花だった。

花言葉は、[私を見つめて]。


差出人の崎本愁吾は、僕に何を求めているのだろう。

それに、どうやって家の中に入り、僕の部屋の前に置いているのだろうか。

恐ろしくてたまらない。


親は離婚して母親だけだし、母親は毎日仕事をしていて疲れているようだ。

だから、話しかけにくくて、僕はずっと一人で悩んでた。

それに、この事が大事になるのは、なんだか嫌だったから。

誰にも言わず、ビクビクしながら8月24日を待った。

なぜか、僕の心の中に、少しワクワクとした気持ちもあった。