妄想彼氏

〜♪〜♪〜♪

「利緒、携帯鳴ってる」

「あ〜わかった」

私は食器を洗っていたので、濡れた手をタオルで拭き、机に乗ってる携帯を手にした。

メールの相手は水季からだった。

〔今年の花火大会一緒に行かね?もしよかったら二人で行こうぜ!〕

〔いいよ。そのかわりあんまりお金持ってけないから〕

そう打ち込み送信ボタンを押す。

〜♪〜♪

「早っ!」

前からメールの打ち込みが早い水季は返事をソッコーで返してきた。

〔マジで!?二人だぞ!絶対二人だかんな!〕

…お金の話を無視するくらい水季は興奮してるらしい。

二人なのはいつもの事なのに。

〔はいはい。じゃあね〕

水季の好きな事は私と一緒にいることらしい。

まぁ水季と仲いい幼なじみなんて私くらいだったしな。

好きと言ってくれるのは嬉しい。

私を友達と思ってくれているなんて、なんて幸せなんだらろう。

昔は…独りぼっちだったから…。

「利緒、さっきの相手って水季君?」

「うん。花火大会の事」

「そか。で、一緒に行く事になった?」

「うん。めちゃくちゃ喜んでた」

私の言葉を聞いてホッとした弥生。

それほど藤坂君と二人きりになりたかったのか。

私はそんな弥生を見てつい笑ってしまった。

すると…




「利緒って…その男の事好きなの?」