「…ってぇ…」
絆創膏を渡したのはいいものの、自分じゃ傷がどこにあるのか見えないからか、
蓮は絆創膏を貼ることに悪戦苦闘して、結局まだ絆創膏は貼られていない。
「ちょっと貸して」
あたしは蓮の手から絆創膏を奪って、傷の場所に貼ってあげた。
「もう1枚貸して」
「あ、あぁ」
もう1枚も貰うと、あたしはもう1つの傷に絆創膏を貼った。
『はい!』と、絆創膏をしっかり貼り付けるためと、貼ってあげたんだから感謝しろよって意味も込めて、
絆創膏の部分をパシッと軽く叩いた。
「いってぇ……。叩くなよっ」
「貼ってあげたのに文句言わないでくださーい」
「ははっ。やっぱコイツ女じゃねぇな」
「ちょ、啓介さっきからうるさい!十分あたしも女だから」
「ふーん?けど普通、女の子は怪我した部分思いっきり叩かないから」
「思いっきりじゃないじゃん。軽く叩いただけじゃん」
あたしはやっぱり女の子らしくはなれないんだろうか。
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