戻ってきたあたしを、啓介はビックリした顔で迎えた。
「何よ、啓介」
「いや。澪が絆創膏持って来るなんて珍しすぎて」
「べ、別に珍しくない。日常だよ、こんなの日常」
「うん。逆に絆創膏持って来るのが日常な生活してんのもどうかと思うけどな」
啓介とは昔からの仲。
だからあたしのことはだいたい知ってる。
いつもがさつなあたしが絆創膏持って来たからビックリしたんだろう。
っつーか!
一応女の子なんだけどね?!
「ん、使って」
蓮に絆創膏を渡した。
「さんきゅ」
受け取った蓮は、絆創膏を渡しただけのあたしに満面の笑みを見せた。
ちょ、やばっ。
この笑顔はダメでしょ、反則でしょ、てかむしろ………犯罪級。
……悔しいけど、やっぱりかっこいい。
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