ムカつきメーターがマックスに達しそうなため、蓮についガンを飛ばしてるあたし。
対して蓮は、余裕な表情でタバコを地面に擦り付けると口を開いた。
「俺の話聞いてた?冗談じゃねぇし、もう不特定多数の女の子と遊ぶのは止めたし、マジで澪だけと付き合いてぇつってんの」
「だから、それが信じらんないの」
「何でだよ」
だから何でもくそもないってば!
「今は遊んでなくても、昔はあたしなんかより可愛い女の子たちと遊んできてたんでしょ?しかも取っ替え引っ替えして」
その言葉に蓮は『まぁ…』と答える。
「そんな不自由ない人が、何でこんな何の取り柄もないあたしと付き合いたいなんて言うのよ。普通に考えておかしいじゃん」
そうでしょうが。
可愛いなんて言われたことないし。
「澪の言ってることこそ意味分かんねぇんだけど」
「え?」
「じゃあ可愛いって何?基準でもあんの?俺は普通に澪のこと、可愛いと思うけど」
それなのにこの男は―――……。
「可愛いよ、澪は」
あたしの中の常識を覆してくる。
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