まぁ、彼氏のフリをしてくれてるのはすごい助かる。
「何だよマジで彼氏いたのかよ」
金髪は蓮が彼氏だと思ってくれたみたいだし。
彼氏がいるって分かったら興味は無くなったらしくて、金髪たちはバイクのエンジンをつけ始めた。
ブォンブォンとバイクのエンジン音が鳴り響いて、金髪以外のヤンキーたちは先に道路へと出た。
金髪だけはバイクに乗ってるものの、まだあたしたちの前にいて、なぜか蓮をジッと見ていた。
さっさと去ってくれればいいのに、何で蓮のことさっきから見てんの?
まさかケンカとか始めないよね?!
ハラハラするあたしをよそに、蓮まで眉間にシワを寄せて睨んでる。
……かと思ったら、
「お前もしかして、竹中蓮?」
いきなり金髪がフルネームを当てた。
「何で知ってんだよ」
「お前昨日ナミって女と遊んだだろ。あいつがお前のこと話してた」
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