「会ったら諦めるからさぁ」
『ね?』と下からあたしを見上げる金髪にイラッと来た。
そんなことより今回は本当にピンチだよね。
大ピンチなんだよね。
けどここまで来たら、何とかしてでも騙し続けなきゃなんない気がする。
「いいよ。じゃあ今から呼ぶから」
………。
あたしはテンパり過ぎて、また嘘を口にしてしまった。
ちょ……っ、あたしってマジでバカ?!
“遠距離恋愛なの”とか言っとけば会わせなくても済んだのに!
何でこんなときに限って悪知恵働かないの。
……どうしよう。
朔にでも連絡して来てもらう?
……いやダメだ、朔はバイト中じゃん。
大雅や拓斗は?
……ダメだ、そういえば昨日みんな今日は1日バイトだって言ってた。
じゃあ他に誰がいる?
中学ん時の友達に頼む……?
最近会ってないし、それは気まずい。
……ってことは、後は……。
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