ガラ悪そうに座ってるヤンキーたちの視線を一気に浴びて、
恥ずかしさで自分の顔が赤くなるのが分かった。
……ヤバいっ。
これは完全にバレた……。
予感は、見事に的中した。
「あ、出てきた」
ヤンキーの1人があたしに向かってそう言って、なぜか周りはニヤニヤしていた。
大学2年生の人はというと、ヤンキーたちが怖いのかドアは開けっ放しなのに一向に外に出ようとしてこない。
「もうバイト終わり?」
「まぁ…」
「後ろにいる子は?君も終わり?」
だけど、金髪は話しかけた。
女の人は『え、あ、いや…』と、あからさまにおどおどしている。
「そう。でも、あたしたち用事あるから急いでて……。ねっ?」
だからあたしが助け船を出してあげたのに――…。
「そ、そうなんです。あたし今すごい急いでて。じゃ、じゃあね澪ちゃん!あたし帰るねっ」
さっきまでのおどおどしてたの嘘だったのかって思うほど、
むしろバイト中よりハキハキとした声でそう言って、そそくさと1人で帰ってしまった。
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