ある1階の部屋に外から入れる場所を見てみると、そこにはたくさんの靴が汚く置かれていた。
奴たちは決して玄関から入ったりしない。
むしろ玄関から入ったことがないと思う。
外からでも騒ぐ奴たちの声は聞こえる。
相当盛り上がってるらしい。
あたしと晶乃はちゃんと玄関から入り、晶乃が『お邪魔しまーす』と言うと、ママがリビングから出てきた。
「おかえりー……って。あら、晶乃ちゃん!」
お母さんは顔を輝かせながらそう言った。
お母さんはやたらと晶乃のことを気に入っていて、うちに泊まることをすごく歓迎している。
まぁ、あたしも晶乃が家にいてくれたら楽しいから泊まりに来てくれた方が全然良いんだけどね。
挨拶程度の話だけ晶乃とお母さんは交わすと、あたしと晶乃はあたしの部屋へと向かった。
あたしの部屋は2階の階段から1番遠い奥にある。
あたしの部屋の隣は―――……
あたしの双子の兄の部屋である。
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