蓮に対するムカつきを発散することなく、バカ松はあたしの高校生活2回目の夏休みを迎えた。



蓮にはそのあと、学校やあたしの家で何回か会ったけど、話したと言っても挨拶程度くらい。



家に来ても誰かしらを連れ出して、女の子の所に遊びに行ってるみたいだった。



そういう事情は別に聞こうが聞かなかろうがどっちだってよかったけど、


やたらと晶乃と朔があたしにわざわざ言ってきた。



聞いてもいないのに言ってくるから、あたしも聞かざるを得なくて毎日のように聞いてた。




―――……そして、夏休み初日は見事にバイトから始まった。




「やべぇ。超ねみぃ」


「そりゃそうでしょ。いつも起きんのなんか昼過ぎじゃん」


「こんな時間に起きんの久々すぎて目ぇ開かねぇ」




それは珍しく朔も同じだった。



ただいま朝の7時半。



あたしにとってこの時間は学校へ行く日とあまり変わらないから余裕だけど、


いつも寝坊するのが当たり前な朔にとってはキツイらしい。




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