“マミ”って子があたしのことを睨んでくる。
どうやら噂の話は、また今度になりそうだ。
「ねぇ蓮ー。今日みんなでカラオケ行くんだけど蓮も来ない?」
「あー…今日は無理。さやちゃんとデート」
「えー。あの子とぉ?絶対うちらとカラオケ行く方が楽しいって」
「今度な。つーかまた後で話そうぜ。今澪と話してんから」
「はいはい。どっか行けってことでしょ?別に言われなくても行くから。てか、後で電話するから絶対出てよね」
いきなりあたしの名前を出すからビックリ。
蓮は睨んでくる“マミ”って子をあっという間に追いやった。
………最後の最後まで、あたしに向ける視線は冷たかったけど。
「いいの?あんなに冷たくして」
「マミ?あいつは冷たくされても俺にベタ惚れだから別にいいんじゃねぇ?」
「ベタ惚れ?」
「あぁ。あいつに高校入ってすぐに告られた」
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