いつもお弁当を作ってくれてるお母さんが起きたのは、あたしたちが家を出るとき。
あたしがお弁当を持ってるわけがない。
「だから言っただろうが、バカ」
「バカ?!」
だからって、バカ呼ばわりされる筋合いはないんだけど!!
あたしは睨みながら、朔からお弁当を奪った。
「言うことねぇのかよ。わざわざ持ってきてやったんだけど」
すると、朔も睨んできた。
「ありがとうございましたぁー」
ムカつくから感謝の気持ちなんかこれっぽっちも入れずにそう言ってやった。
「お前マジでうぜぇ」
「うざいのはお互い様でしょ、双子なんだから」
「お前の方が何百倍もうぜぇ」
「……は?」
カッチーン。
学校で兄弟ケンカなんかしたくなかったけど、朔のうざさは学校にいる時の方が倍増して更にムカつく。
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