蓮は言うまでもなく、バカにしたように笑い出した。



それを見て思わず殴ってやろうかと思ったけど、ちょうど大雅が洗面所に登場した。




『でっけぇ音したけど、どうした?』



そう言った大雅に対して、



『澪に襲われた』と蓮が答えたから、


急いで『あたしが扉開けたら蓮がいたから、ビックリして突き飛ばしちゃって』と、弁解した。




その後は特に蓮とは話してない。



大雅はバカだから、あたしの言葉で普通に納得したようだったし。



大雅と蓮は1階の部屋へ、あたしは晶乃が待つ自分の部屋へと向かった。




「なんだよ来ねぇのかよ」



階段を昇ろうとしたときに大雅に呼び止められた。



お風呂上がりで男だらけのむさ苦しいところになんて行きたくない。



それをそのまま口にしたあたしに、


大雅は『あっそーですか』と嫌味ったらしく言って、その場を去っていった。





次の日は、いつものように晶乃が早起きして朝食を作ってくれて、


お母さんが起きたのは、あたしたちが家を出る頃だった。




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