どんなに意地はったって、あたしが蓮を好きってことに変わりはなくて。



どんなに足掻いても、あたしが蓮の虜になってるのも変わらなくて。



実はそんなに強くない蓮を………本当の蓮を知って、さらに好きになった。




全然女の子らしくなくて口悪くて大雑把なあたしのことを、初めて女の子扱いしてくれた。



まぁ……今考えれば、たくさんの女の子と遊んで得た“女の子の扱い方”で、あたしはまんまと落とされたってわけだ。




「やべぇ」




整った顔に甘く低い声。



こんなに完璧な人間がいていいのかって思うほど、蓮はかっこいい。




「無性にキスしてぇ」




誘惑しながら既にキスしようとしてくるから、これまたすごい。



あたしの腕を引っ張って、当たり前のように蓮は顔を近づけてくる。



そして………静かに重なる唇。



すぐに唇が離れると目が合い、恥ずかしさから………お互いに笑みが溢れた。




幸せ、だと思った。



それだけで、心は温かくなった。



こんなに好きでいていいのか不安になるけど、


こうなったら蓮に飽きられないように、あたしらしく女子力をアップさせなきゃならない。




「もう1回してぇ」


「え?ちょ……んっ」




第1印象は最悪。



この世で1番嫌いなチャラ男を、まさか好きになるなんて。



けど深く知ることで考え方は変わって………今では好きという気持ちが大きい。




「んんっ…」




―――……あたし神埼澪は、



“元”チャラ男の罠に見事にハマってしまったのでした。






「ど、どこ触ってんの!」


「うるさい澪ちゃん」


「その手には引っ掛からないから!」




―END―




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