「チラ見は許す」
「……」
「ガン見は……」
「ガン見は？」
「ボコボコにする」
笑顔のあたしとは対称的に、蓮は苦笑いしかしてなかった。
まぁボコボコにするなんて冗談だけどさ。
それくらい言わなきゃ蓮には効きそうにないからね。
……いったいこの世に、過去にここまでチャラかったやつがいるだろうか。
いや、いない。
そんなチャラ男を好きになって、すっかり虜になってしまったあたしはバカなのかもしれない。
最終的には“あたし＝バカ”って成り立つ。
別にいいけどね？
どっちにしろ勉強もできないからバカに変わりはないんだし。
「もうすぐ２年生だね」
「あぁ。早ぇな」
「進路どうするか考えなきゃ」
「まだ早くね？」
「そういうのは早めに決めた方がいいんだよっ」
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