「え、無視?」
「……」
「みーお」
「……」
「澪」
「……」
「澪ちゃーん」
「……」
「澪ちん」
「ひゃっ…!」
無視をし続けるあたしの耳に、蓮はフーッと息を吹きかけてきた。
くすぐったくて、つい反応してしまった。
反応したことで満足したのか、蓮がそれ以上あたしの名前を呼んでくることはなく………隣に腰を下ろしてきた。
「トイレまで案内したら、アドレス聞かれちゃってさ」
「……」
「全然帰してくれねぇの」
あたしは何も聞いてないのに、自らベラベラと話し出した。
いや聞いてないし。
てか、聞いたところでいい話ではなさそうだし。
さらに落ち込みそうだから逆に止めてほしいとすら思う。
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