蓮にそう言われてから1時間後、本当に蓮のお父さんと彼女さんが来た。
蓮のお父さんの彼女さんは、すごく優しそうで、話してても優しいのが伝わってきた。
もしかしたら蓮のお母さんになる人かもしれないから、どんな人なのか気になってたけど、
あたしが心配するような人ではなくて安心した。
むしろ、蓮も普通に彼女さんと話してるから、この人が蓮のお母さんになってくれたらいいな……とまで思った。
あたしたちの終業式が終わった次の日にはもう彼女さんの家に引っ越すらしくて、
お父さんには『なんなら一緒に住んでもいいからね』って言われた。
だけど、さすがにそれはまだ未熟なあたしと蓮が一緒に暮らすのは早いと思ったから、『蓮の世話は任せてください』とだけ言っておいた。
「犬扱いすんなよ」
あたしの言葉にムカついたらしい蓮は、そう言って少しの間だけ拗ねてた。
蓮が拗ねることは滅多にないから新鮮で見てるのが楽しかった。
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