お姉さん2人は口をポカーンと開けたままで………それ以上反論することはなかった。
蓮はというと、それまで楽しげに話してたくせにお姉さんを無視して、
目の前にいたあたしの腕を引っ張って歩き出した。
……着いた先には、卓球台。
「勝負すんだろ?」
蓮はそう言ってラケットとピンポン玉を渡してきた。
いやいやいやいや。
普通に考えてこの流れおかしいでしょう!
あたしさっきまで放置されてたんだけど?
虚しくて情けなくて心折れそうだったんだけど?
――…なのに、この男は何事もなかったかのように接してきやがって。
あたしの気持ちなんか何も分かってない。
「お姉さんはいいの?」
ムカついたから嫌みを込めて、そう口にした。
.



