「大して可愛くなかったよねぇ。全然釣り合ってない」
「普通だったしね。けど名前はやけに可愛くなかった?」
「そういえば可愛かった気がする。何だっけ?」
次の2人の言葉を聞いて―――……
あたしは絶句した。
「澪、とかじゃなかった?そう呼んでた気がする」
「そうそう。そんな名前だった」
え……これってもしかすると、もしかする感じ?
さっきまで“アレ”呼ばわりされてバカにされてたイケメンの彼女って………
実はあたしぃぃぃ??!!
マジで?!嘘でしょ?!
……いや。
もしかしたら同姓同名で別の人なのかもしれない。
あたしと同じように並みな容姿で、蓮みたいなかっこいい彼氏がいる人がいるのかも。
そう自分に言い聞かせて、顔がバレないように温泉を出て………素早く浴衣に着替えた。
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