ぞっこん☆BABY〜チャラ男のアイツ〜





「もしもし」




何て言っていいか分からなくて、いつものような感じになってしまった。



こんだけ待たされてるんだから怒っていいのかもしれないけど、むやみに怒れない。



内心怒ってやりたいのを抑えて、あたしは蓮が声を発するのを待ってた。




「今日行けねぇ」




でも、あたしの耳に聞こえたのは―――……蓮の突き放すような言葉。




「どういうこと……?」


「行けねぇもんは行けねぇんだよ」


「……何で?」


「何でって、なんとなく」


「……」


「そういうことだから、じゃあな」




電話は蓮によって一方的に切られた。



切られた後に鳴る機械音が余計にあたしの胸を締め付けた。



いきなりのことで………頭の回転がついていかない。



冷たかった。

突き放すような声だった。



蓮じゃないみたいだった………。




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