急いで支度をして………その日は楽しみだから興奮し過ぎて一睡もできなかった。



１０時頃家まで迎えに来てくれるって言ってたから、あたしは外で蓮が来るのを待っていた。



――…けど、３０分が経っても一向に蓮が来る気配がない。



ああ見えて真面目なところがあるから、ちょっと遅れるだけでも電話かメールをしてくれる。



でも、今日は３０分も遅れてるのに一切連絡がない。




「あ？澪？」




どこで遊んできたのかなんて知らないけど、朝帰りの朔にばったり会った。



多い荷物を持って家の前で立ってるあたしを不審な目で見てくる朔。




「何で家の前で突っ立ってんだよ」


「……蓮と旅行行く約束したの」


「旅行？へぇ、良かったじゃん。けど何で、んな不安そうな顔してんだよ」


「蓮が迎えに行くって言ったんだけどね？全然来ないんだよね……」


「連絡もねぇの？」


「うん」




あたしから何回か電話してみたけど、それにも出てくれなかった。




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