突然出てきたあたしに驚いた様子の蓮と大翔。
そりゃそうだ。
あたしに聞かれたくないから、こんな路地で話してたんだし。
「あたしを利用したって、ほんと……?」
唖然とする大翔に、そう投げ掛けた。
大翔は何も言わなかった。
否定しないんだから―――……どうやら利用したのは本当のことらしい。
もう傷つくっていうより、むなしくて仕方がない。
「どこから聞いた?」
「大翔が蓮を恨んでることも、あたしが利用されたことも、それを蓮が隠そうとしてたことも全部知ってる」
「……」
「教えて」
全部を知ってると言ったあたしに蓮は複雑な表情をしたけど………あたしは全部を知ってるわけじゃない。
「そんなの、こいつが嫌いだからだよ」
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