――…待つこと20分。
男同士の、ましてや嫌ってる同士が話す時間にしては長い。
もう10分待とうか。
でも何を話してるのか気になるし……。
「もうさぁ、そんなに行きたいんなら行ってくれば?」
大人しく待ってようか、話を聞きに行こうか迷ってるあたしに、晶乃はバッサリそう言った。
それで………何か気持ちが吹っ切れて、あたしは結局蓮と大翔のところへ行くことにした。
店を出て辺りを見渡しても2人はいない。
適当に道沿いを歩いていくと―――……路地から声が聞こえた。
………そこには、蓮と大翔がいた。
あたしって凄いと思う。
繁華街は常に人が多くてうるさいのに、蓮の声だけがはっきりと聞こえた。
どんだけ蓮のことが好きなんだよっていう。
とりあえず、バレたら蓮に怒られると思ったから、隠れるように路地にいる2人を見ていた。
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