あたしにあんなに威圧感を出してた先輩が、蓮を前にすると小さく見えた。
無言でいる先輩。
「もう2度と俺の前に現れんな」
「……」
「これ以上女の子に幻滅したくないんだよね」
「……」
「だから澪にももう近づくな」
先輩は意外にも、
『別れなきゃ何するか分かんない』と強気な態度だった。
けど、蓮は何故か笑った。
「……んっ」
いきなり蓮があたしの腕を壁に押し付けてきたから何かと思ったら………
まさかのキスをしてきて、しかも舌まで入れてきた。
深めなキスをされたあと、蓮はドヤ顔で先輩に『それは無理』と言い切った。
「最高にラブラブだから、誰も入る隙なんかないんで」
蓮は最後にその言葉だけを残して………あたしを連れてその場を後にした。
―――……それからというもの、呼び出しがなくなる………こともなく、
むしろ減るどころか増えた。
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