「良いとこ知りてぇって思えば、相手の良いとこ見えるし、悪いとこばっか気にしてると、悪いとこしか見えなくなんだよ」




思惑通りにはなりたくないのに、その言葉がやけに胸の奥に突き刺さる。



遊び人のくせに……。



少しドキッとしたから心臓がおかしいのかと疑ったけど、でも遊び人の言葉が頭の中を巡ってる。



……だけど、少しでもドキッとした自分をすぐに恥ずかしくなった。




「ってことで、澪ちゃんも番号交換しねぇ?」


「え?」


「番号、交換しねぇ?澪ちゃんの良いとこたくさん知りてぇし」




……うん。


そう来るかもとは思ってたけどね!


いい言葉だけ言って終わらせるはずないって思ってたけどね!



きっと彼はこうして手強い女の子と番号交換をしてきたんだ。



その手段にあたしはまんまと………ハマろうとしてたなんて。




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