「啓介と朔だって1桁ばっかだったじゃん!」
「でもお前はここにいる誰よりも赤点多かっただろ」
「……そう、だっけ?」
反論してみたものの、やっぱりあたしのバカさはずば抜けてるらしい。
「けど、蓮って頭良いよな?」
「え?そうなの?!」
あたしは目を輝かせて、蓮に視線を移した。
だってまさかこんな身近に頭が良い人がいるなんて……!
「どれくらい頭良いの?!」
「別に頭良くねぇよ」
「でもどれくらい?!」
「全部平均点以上だし、数学はこの前クラスで1位だったよな」
「やば!」
蓮の代わりに啓介が言ってくれた。
あたしからしたら平均点をとれることがすごいと思う。
あたしなんか、ほとんどが赤点だからね。
………ということで、あたしの次の成績が危ないから、テストまでの1週間あたしは蓮と勉強することになった。
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